この前、
キミがまだ4ヵ月とか、半年とか
小さな小さな赤ちゃんだった頃のビデオを見たよ。

母さんはビデオや写真を編集して保存するのが好きだから、
君の映像はすべて、すぐに見られるようになっているんだ。

まだ小さな小さなキミは、おもちゃをかじりながら、フワフワしてて、アハアハ笑っていたよ。
くにゃっと曲がりそうな体でお座りして、ピンクのクマのぬいぐるみを手にしながら、やっぱり笑っていたよ。

言葉にはなっていない言葉で、キミは一生懸命、母さんに何かを伝えようとお話していたよ。

小さな小さなキミを前にして、母さんはキミをただ、死なせないようにすることしか頭になかった。
今思えば、キミをに向き合うことに夢中で、2歳になるまでの時間はずっとノイローゼだったような気がするよ。

あんなに可愛い笑顔を見せてくれたキミを、
あの時の母さんは、しっかり抱き締めていたんだろうか?
義務以外の気持ちを持って、しっかり抱き締めてあげていたんだろうか?

必死で、ただただ必死で過ぎてしまった、キミとの大切な時間。

小さなキミを、いとおしむように画面に見入りながら、
2歳8ヵ月になったキミを思った。

大きくなったね。
歩き、走り、笑い、たくさんの愛情に守られながら、大きくなったね。

言葉もたくさん覚え、会話は大人と同じように出来るから、母さんはついついキミが2歳なことを忘れてしまうよ。

自分の気持ちを言葉にし、私に抗議したりする。

母さんの間違いを指摘したりする。

世界で一番好きなのは、母さんだと言ったりする。

いいこと思いついちゃった。と言いながら、母さんにキスしたりする。

毒も光も吐き出す口が愛しいよ。

欲張りな母さんは、
毎日の、宝物のような瞬間を全部忘れたくないと思ってしまう。

大好きな大好きなキミに、母さんはちゃんと好きって伝えてられているのかな?
親とか責任とか考えずに、キミを抱き締めてあげられているかな?

キミの母さんが、母さんじゃなかったら、
キミはもっと幸せになるんじゃないかと、考えたりする。
キミをキツく叱りすぎた夜に……。

母さん、来年も頑張るよ。
母さんの子供だからこそ出来る何かを、キミに伝えるために。

母親業は、母さんに出来ないことが多い。けれど、
母さんだから出来ることがあるはずだから。

来年もよろしくね。
キミの笑顔が、たくさん見られますように。

ありがとう。